肩関節の仕組みと五十肩
肩関節にある腱板という組織は、日常の動作を繰り返すだけでも目に見えない小さな傷ができやすいものです。その傷が引き金になって腱板の周辺に炎症が起こりますと、やがて関節包(関節の袋)がちぢんで肩関節の動きが悪くなります。これが五十肩です。
原因と症状
肩関節は服を着たり、働いたり、スポーツをしたりする日常の生活でたえず動いている関節のため、40歳頃より関節周囲の筋、腱は少しずつ疲労し老化していきます。肩を動かすことにより痛みが増し、時には夜間の激しい痛みのため目を覚ますほどになります。肩を動かす事により痛みが強くなるので無意識のうちに肩を動かそうとしなくなり、ついには肩関節周囲の組織が固まり、肩を上げることができない拘縮という状態に陥ります。
治療法
自然に治ることもありますが、放置すると日常生活が不自由になるばかりではなく、癒着して動かなくなることもあります。急性期には、無理に動かすのではなく安静にします。痛みをとることが目標で、注意して日常生活を送ることが大切です。急性期をすぎると、温熱療法(入浴など)や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)を行います。関節の動きを良くする事が目標で、多少の痛みを我慢して積極的に行うことが必要です。また、痛みを軽減する為に、鍼灸治療や筋肉をほぐしていくと効果的です。
日常生活のアドバイス
★肩を冷やさないようにすることが大切です。
★仰向けに寝ると痛い場合は、肘の下にクッションを入れると良いことがあります。