原因
ランニングなどのオーバーユース(使いすぎ)によって起こりやすい疾患です。膝を曲げ伸ばししたとき、大腿骨の隆起部分の前方にある腸脛靱帯が後ろ側に移動するときに、大腿骨の出っ張りの部分とこすれるような状況となって、炎症をおこしてしまいます。
症状
膝関節外側の痛みが主で、放散痛が生じることもあります。スポーツ動作とともに疼痛は増強し、悪化すれば、まれに階段昇降などの日常生活動作でも痛みが出るようになります。
治療
痛みが強い時は2週間程度の安静を保ち、温熱療法や寒冷療法、電気治療、マッサージ、鍼灸治療、腸脛靭帯のストレッチングなどの物理療法を行います。スポーツ活動ができるときは、練習量の軽減、アスファルトなどの硬い路面やコーナー走を避けたり、練習後のアイシング、シューズの変更、下肢の形状を調整するために足底板と呼ばれるものを入れたりします。
腸脛靭帯のストレッチング1
肘関節で膝関節を押し、首を反対方向に向け、20秒間保持します。
腸脛靭帯のストレッチング2
両肩をベッドにつけ、手で左膝関節の外側を真下に押します。パートナーにしっかり抑えてもらうことで、より効果が上がります。